赤ちゃんの頭のかたち専門外来
赤ちゃんの頭のかたち専門外来
頭のかたち外来では、
赤ちゃんの頭のかたちについてのご相談を受け付けております。
気にかかることがございましたら、
お電話でのご予約をお願いいたします。
赤ちゃんの頭の骨の構造は柔らかく変形しやすくできています。強い陣痛で狭い産道を押し出されて生まれてくるために、頭の形はむしろ変形しやすくできているとも言われています。さらに、生まれたばかりの赤ちゃんは、自分の好きなように頭の向きを動かすことができません。同じ方向ばかり向いて寝ていると頭のかたちの変形が進行してしまう時期があります。
頭の形については2025年現在、小児科医療としては一般的ではありません。ある程度は自然矯正されることから、当院では今まではヘルメットによる自費診療は行わないという方針でおりました。
一方で、頭は体の中でも最重要臓器であること、審美的な面からも特に目立つ部分であることから、赤ちゃんの頭のかたちへの心配も多く聞かれます。頭のかたちについてご不安を抱えたママ育児をするストレスに配慮して当院でもヘルメット治療を導入することといたしました。
赤ちゃんの頭のかたちは大きく分けて、病的なものとそうでないものの二つに分かれます。
当院の頭のかたち外来では、病的なものをより早く発見して専門病院に相談する目的、
むきぐせによって変形したものを理学療法やヘルメット療法でサポートをする目的があります。
まずはお気軽にご相談ください。
赤ちゃんの頭の歪みの原因は大きく分けて2つあります。
位置的頭蓋変形は子宮内やお産時に頭が変形してしまったり、むきぐせなどにより圧力によって頭がゆがんでしまうことをさします。
頭のゆがみの原因のほとんどは、妊娠中の胎位の影響や出生後のむきぐせなどによる外因性の変形 (位置的頭蓋変形症)です。
むきぐせによる頭の形の歪みは長い時間、あたまを同じ位置を下にして寝ることで、重力の影響により接地している面の成長が抑えられ、接地面以外が大きく成長することによって、斜頭や短頭といった頭蓋変形をきたしてきます。
また、中には鎖骨骨折によるもの、筋性斜頸に伴うむきぐせのものなども含まれます。
これまで日本では「放っておいてよい」「自然に治る」などといわれてきましたが、強いゆがみの場合、変形が残るお子さんも報告されています。
あたまの歪みには「斜頭症」「短頭症」「長頭症」の3つがあります。
斜頭症
むきぐせのある赤ちゃんにみられる形です。平行四辺形の如くゆがむため、耳の位置や顔面に左右差が出ることがあります。
短頭症
仰向け寝の時間が長い赤ちゃんにみられます。(いわゆる絶壁です)
長頭症
横向きの姿勢の時間が長い赤ちゃんにみられます。(NICU長期入院児など)
むきぐせによる頭の変形は、ねんねの時期(生後0〜4ヶ月の間)はある程度変形が進行します。
自分の力で首を自由に動かせるようになると変形がとまり、さらにお座り、立っちができるようになると頭の変形は少しずつ改善し始めます。2歳くらいまでにはおおよそ目立たなくなり、5歳で最終的な頭の形が完成に近づきます。
2歳までは運動発達や言語発達が遅れることがあると報告している論文がありますが、小児科一般的には発達には影響がないと考えられています。
現在の日本の小児医療では審美的な面でのヘルメット矯正治療はまだまだ一般的ではありません。それのためヘルメット治療は保険治療外であり、自費診療となります。(相談は保険適応内)
人は皆、ある程度の左右差があるので完全な円形の頭になることはありませんが、歪みの程度が強いと顔の歪みが生じることがあったり、耳の位置に左右差が生じることで「メガネがかけづらい・ずれてしまう」、「ポニーテールがずれる」「帽子が斜めになる」といった不都合が起こることも考えられます。
赤ちゃんの頭の骨は大人と異なり、いくつかの骨に分かれています。成人になるにつれて骨と骨がくっついていき、強固な頭蓋骨が形成されます。乳児期には脳が急速に拡大するため、頭蓋骨も脳の成長に合わせて拡大しますが、骨と骨が早期に癒合して成長を妨げてしまう場合があります。これを頭蓋縫合早期癒合症と呼びます。
非常に稀な疾患ではありますが、この場合は適切な診断、治療を受けないと頭蓋骨の正常な発育の障害や、頭や顔の骨の形態異常、手足の異常が起こる可能性があります。
こちらが疑われる場合、速やかに専門的な総合病院に紹介させていただきます。
赤ちゃんの頭のゆがみ度合いを大きくしないために家庭でできる予防方法もあります。
寝ている赤ちゃんに同じ方向を向かせないことで、片方の後頭部に圧が長時間かかることなく、変形もしにくくなります。
例えば
まずは、寝ている赤ちゃんの顔の向きを観察してみましょう。
タミータイムは首座りの練習やうつ伏せ練習の方法として用いられますが、頭のゆがみを予防する方法としても有効です。
うつ伏せになることで頭にかかる圧力を防げます。
分娩施設から自宅に戻ったら、1日2.3回、3〜5分くらいからはじめてください。
保護者の監視下でおむつ替えの直後や、目が覚めた後に行いましょう。
※顔を動かすことのできない時期のうつ伏せ寝は窒息の恐れがありますので注意が必要です。寝かせる際は仰向け寝にしましょう。
重力に反した姿勢をとる時間が長いほど頭の形は改善しやすくなります。
ホームケアを行っても重症度が進行する場合や、中等度以上の位置的頭蓋変形症の場合はヘルメット療法が適応になります。頭蓋が成長する力を利用して、扁平部分の成長を促しあたまの形の非対称を解消する目的でおこないます。日本では2018年に承認された治療法です。月齢が早い時期ほど頭の成長が大きいために治療効果は高いです。
カメラによる3D撮影を行い、赤ちゃん1人1人のあたまの形に合わせたオーダーメードのヘルメットを作成します。
ヘルメット作成後は、2週間から1か月ごとに定期通院しゆがみの改善具合をフォローするとともに、ヘルメット装着に 伴う皮膚炎(発赤、ただれ)・皮膚の損傷(水疱、剥がれ、出血等)がないか確認します。
注意事項:
1日の装着時間の目安は約23時間(お風呂や着替えの時間を除いて基本的にはずっと装着していることになります)
装着期間:5-6か月
35万円(税込)
ヘルメット代、3D撮影費用(初回、経過確認時、卒業時)、ヘルメット治療終了までの自費診察代が含まれます。
1回1万円(税込)(初回撮影からヘルメットオーダーまで3日以内の場合、初回撮影費用の1万円は上記に補填いたします。)
22万円(税込)
対象「Berry社のベビーバンド」ユーザーの方に限ります。
転院の際には、事前にヘルメット作成された医療機関から、Berry社(ヘルメットメーカー)にご連絡いただき、ヘルメットデータの移行作業の依頼をお願いいたします。
他院にてヘルメット作成後、当院でのフォローアップ受診時費用は、一括55,000円(自費診療・税込)となります。
3Dスキャン撮影費用、ヘルメット治療終了までの診察代を含みます。